金融庁は2026年5月19日、企業のサステナビリティ情報開示に適用する内閣府告示を改正し、日本サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の基準を認定する基準日を2026年2月20日から同年3月13日に変更した。改正は同日付で公布された。
基準日変更の背景
告示の基準日変更は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によるISSA 5000の採択時期がずれ込んだことに対応するものだ。ISSA 5000はサステナビリティ保証に関する初の国際標準規範であり、SSBJが国内の保証基準を整備する際の参照軸として位置づけられていた。IAASBによる最終採択日が2026年3月13日に確定したことを受け、金融庁はSSBJの基準認定の起算点をこの実際の採択日に合わせて修正した。
手続きとしては技術的な日付修正に見えるが、その意味は実務的だ。日本の上場企業がSSBJに基づく開示を行う際、同開示に対して公認会計士等が保証業務を提供できる制度的前提が、この告示に依存している。
保証部会が初会合
5月25日には、金融庁の企業会計審議会サステナビリティ情報部会の下に新設された保証部会が第1回会合を開催した。保証部会はSSBJが公表する基準に対して国内の保証実務基準を整備するための組織であり、今後、開示書類に対してどのような範囲・水準の保証が求められるかを具体化する作業を担う。
財務諸表に対する監査と同様、サステナビリティ情報への独立した第三者保証を制度として組み込む設計であり、保証部会の議論はその技術的な枠組みを定めるものとなる。
企業への実務示唆
国内上場企業にとって、この動きは中期的な準備課題として浮上する。第一に、保証を提供できる監査法人・保証機関の選定と早期の関係構築が競争上の優位性をもたらす可能性がある。第二に、ISSA 5000が定める保証の範囲(限定的保証か合理的保証か)によって、内部データ収集・管理の水準要件が変わってくる。第三に、保証部会の議論の行方が開示義務化のタイムラインと接続しており、担当部門は同部会の公開資料を継続的に追う必要がある。
欧州ではCSRD(企業サステナビリティ報告指令)の下で保証が既に義務付けられており、日本の動向を注視するグローバルサプライチェーンのパートナー企業にとっても、今回の進展は日本の制度整備が着実に前進していることを示すシグナルとなる。
