AIXTRON SEは2026年第1四半期の速報業績を発表し、受注高が約1億7,100万ユーロ(前年同期1億3,220万ユーロ比、約30%増)となったことを明らかにした。オプトエレクトロニクス向けの予想を上回る需要を主因として、2026年通期売上高ガイダンスを約5億6,000万ユーロ(従来予想の約5億2,000万ユーロから引き上げ)に上方修正した。
Q1受注構成とオプトエレクトロニクス急増の背景
Q1受注高の65%超がオプトエレクトロニクスセグメントに関連している。データセンター向け800G/1.6T超高速光トランシーバーの需要急増が、InP/GaAs系化合物半導体の生産ライン向け設備投資を加速しているものと見られる。AIXTRONのMOCVD(有機金属化学気相成長)装置はこれらの化合物半導体製造に不可欠であり、市場需要の増大が装置発注に短期間で反映されやすい構造となっている。LiDAR向け化合物半導体の需要も並行して立ち上がっており、複数の成長ドライバーが受注を押し上げている。
FY2026ガイダンス上方修正の詳細
2026年通期ガイダンスは5億2,000万ユーロ±3,000万ユーロから約5億6,000万ユーロ±3,000万ユーロへの引き上げとなった(為替前提1.20 USD/EUR)。引き上げ幅は約4,000万ユーロで、従来予想から約8%の上方修正にあたる。製造装置メーカーとして需要の1〜2四半期先行指標としての性格を持つAIXTRONのQ1受注好調は、データセンター向け光通信モジュールの本格生産が2026年後半以降に立ち上がることを示唆している。
設計・調達担当者への視点
AIXTRONのガイダンス引き上げはパワー半導体の直接動向ではないが、GaN・SiC向けMOCVD装置の需要先読み指標として機能する。過去のサイクルでは、光通信向け化合物半導体の設備投資が活発化した後にパワーエレクトロニクス向け装置投資が続く傾向がある。SiC・GaNのウェーハ供給は装置投資から結晶成長・ウェーハ加工まで18〜24ヶ月程度のリードタイムがあるため、AIXTRONの受注急増が将来のウェーハ供給圧迫につながる可能性を念頭に、中期の調達計画に余裕を持たせることが望ましい。
