AIデータセンターの停電対策用バッテリーバックアップユニット(BBU)向けに、ロームの750V耐圧SiC MOSFET「SCT4013DLL」の採用が広がっている。同社は2025年9月にTOLLパッケージの同シリーズ量産を開始しており、業界標準となりつつある±400V HVDCバス構成への対応を訴求する。
±400V HVDCバスとBBU向けSiC需要
AI電源では±400V HVDC(高圧直流)バスが普及しており、バッテリーをDCバス直結するBBU構成が主流になりつつある。このアーキテクチャでは昇圧コンバーターが不要になる半面、スイッチング素子には600〜800V対応が必要となる。従来のIGBTより高周波スイッチングに優れ導通損失も小さいSiC MOSFETが適合し、AI電源の24時間連続稼働に欠かせない高熱信頼性が評価されている。
SCT4013DLL の仕様とTOLLパッケージの利点
SCT4013DLLの仕様は750V・120A定格、オン抵抗13mΩ(標準値)、最大接合温度175℃。TOLLパッケージはTO-263比で実装面積を約26%削減し、電源基板の高密度実装に対応する。オン抵抗13〜65mΩ・電流26〜120Aの6機種展開で、AIサーバーに限らず産業用UPS、太陽光インバーターなど多様な用途に対応する。
設計担当者へのポイント
650Vクラス品との比較で750V品は耐圧マージンが増す一方、Rds(on)×Qgdトレードオフに注意が必要だ。ロームは評価ボード(150A・ダブルパルステスト対応、500kHzまで)を提供しており、スイッチング特性の実装評価を早期に行うことができる。
