Entegrisと、JSR傘下のInpriaは、極端紫外線(EUV)リソグラフィ向けの金属酸化物レジスト(MOR)特許について、非独占的なクロスライセンス契約を締結した。あわせて、両社が係争していた特許無効審判(IPR2025-00267)も合意の一環で終結する。

合意の範囲

クロスライセンスの対象は、MORレジストの処方、前駆体合成、そしてMOR専用の超高純度フィルトレーションの3領域に及ぶ。MORは従来の化学増幅型レジスト(CAR)に代わる次世代EUVレジストとして開発が進む材料で、Inpriaはその先駆的な開発企業として知られる。ろ過・材料に強みを持つEntegrisと、レジスト本体を手がけるInpriaが、相互に特許を利用できる体制を整えた形だ。

IP係争の終結とねらい

今回の合意により、係争中だったIPR2025-00267(当事者系レビュー)は取り下げられる。両社はAI時代に向けたEUV先端材料のスケールアップを本協業の戦略目的に位置づけており、特許紛争を解消したうえで材料開発を進める狙いがうかがえる。

背景:高NA EUVとMOR量産化の課題

先端ロジック・メモリの微細化で高NA(高開口数)EUVの立ち上げが進むなか、MORレジストは高解像度や低ラインエッジラフネスといった特性で期待される一方、欠陥や純度の管理が量産採用の課題とされてきた。材料サプライチェーンにおける知財の整理と協業は、MORの量産採用に向けた地ならしと位置づけられる。

調達・サプライチェーンへの示唆

EUVレジストは供給が少数のサプライヤーに集中する戦略材料であり、知財紛争はサプライチェーンの不確実性要因となる。今回の係争解消と協業は、先端材料の供給安定とMOR採用の前進を意味し、先端ノードの材料調達に携わる立場にとっては供給リスクの一つが下がる動きといえる。Entegrisは10カ国以上に製造・研究拠点を持ち、従業員は約7,700人とされる。

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