Infineon Technologiesは2026年10月1日、タイのバンコク(サムットプラーカーン県)で後工程(バックエンド)の新しい製造拠点を開所した。開所式にはタイのアヌティン・チャーンウィラクーン首相と、InfineonのAlexander Gorski最高執行責任者(COO)が出席した。

新拠点は更地から建てたグリーンフィールド工場で、最初の建屋Module Aから稼働を始める。設計上は最大5つのモジュールまで拡張でき、Infineonは将来、同社で最大級の後工程拠点の一つになる可能性があるとしている。

拠点の概要

見るポイント
01

所在地

タイ・バンコク(サムットプラーカーン県)。2026年10月1日に開所。

02

規模

Module Aから稼働。最大5モジュールまで拡張できる設計。

03

人員

現在約350人。Module Aの立ち上げに伴い約1,000人へ。

04

工程

半導体後工程の全工程(組立・テスト)とウェハテスト。クリーンルームを含め高度に自動化。

05

用途

車載、産業、エネルギーインフラ向けの高付加価値製品。

06

電力

100%グリーン電力で稼働。水のリサイクル、雨水回収、敷地内の太陽光発電を備える。

後工程は、前工程で回路を作り込んだウェハを切り分け、パッケージに組み立てて検査する工程だ。パワー半導体では、モジュールやパッケージの品質が製品の信頼性を左右する。バンコク拠点は組立・テストに加えてウェハテストも担う点を、Infineonは特徴として挙げている。

前工程の増強と対になる投資

7月のドレスデン工場の開所では、AIデータセンター電源、再生可能エネルギー、電力網、SDVを主な用途に掲げた。前工程の能力が増えれば、組立・テストの能力も合わせて必要になる。Gorski COOは、東南アジアの中心という立地と物流の良さを挙げ、生産網を地域的に分散させて顧客に柔軟な供給能力を提供すると説明している。

調達・品質保証にとっての意味

  • 生産地の追加は認定作業を伴う:車載向けを中心に、組立拠点の変更や追加には顧客側の再認定が必要になることが多い。Module Aの立ち上げに合わせて、Infineonから工程変更通知(PCN)が出る品番を把握しておきたい
  • 供給の分散:後工程拠点が増えることは、特定の国・地域に組立・テストが集中するリスクを下げる。調達先の評価では、前工程と後工程の拠点をそれぞれ確認する視点が要る
  • 生産時の電力:拠点は100%グリーン電力で稼働する。製品の排出量データ(PCF)を取引先に求める場合、後工程の拠点がどこかで数値が変わりうる

参照ファクトカード