TSMCは2026年10月15日、第3四半期(7〜9月)の決算を発表した。米ドル建て売上高は467.2億ドルで、前年同期比41.2%増、前期比16.2%増だった。会社予想(446〜458億ドル)の上限を上回った。
台湾ドル建てでは、売上高が1兆4,942億4,000万台湾ドル(前年同期比50.9%増)、純利益が7,630億6,000万台湾ドル(同68.7%増)、希薄化後EPSが29.43台湾ドルだった。
利益率:前期からわずかに低下、予想の範囲内
粗利益率
66.4%(前期67.7%、前年同期59.5%)。会社予想65〜67%の範囲内。
営業利益率
58.7%(前期60.3%、前年同期50.6%)。会社予想56〜58%を上回った。
純利益率
51.1%(前期55.6%)。営業外収益が前期の958億台湾ドルから346億台湾ドルに減った。
為替
平均1ドル=31.98台湾ドル(前期32.0、前年同期29.91)。
売上の3分の2超がHPC
プラットフォーム別では、AI向けを含むHPC(高性能コンピューティング)が68%を占め、前期比22%増と全体の伸びを引っ張った。スマートフォンは21%で前期比10%増、車載は4%ながら前期比23%増だった。デジタル家電(DCE)は12%減った。
プロセス別のウェハ売上では、2nmが8%、3nmが33%、5nmが28%、7nmが10%で、7nm以下の先端プロセスが合計79%を占めた。2nmが量産売上として数字に表れ始めた。
出荷枚数と売上の伸びの差
設備投資は4,432億1,000万台湾ドルで、前期の4,960億台湾ドルから減ったが、前年同期の2,874億5,000万台湾ドルからは大きく増えた。営業キャッシュフローは9,197億7,000万台湾ドル、フリーキャッシュフローは4,765億6,000万台湾ドルだった。
第4四半期と通年の見通し
TSMCは第4四半期の売上高を523億〜543億ドル、粗利益率を65〜67%、営業利益率を56.5〜58.5%と予想した(1ドル=31.8台湾ドル前提)。予想の中央値(533億ドル)は第3四半期比で約14%増にあたる。2026年通年の売上高は米ドル建てで約44%増を見込む。
ウェンデル・ファンCFOは、第4四半期も2nmの急速な立ち上がりを含む先端プロセスへの強い需要が続くとした。
後工程・調達担当にとっての意味
- パッケージングの数字は開示区分にない:今回の決算資料(SEC提出の6-K)は、CoWoSなど先端パッケージングの売上や生産能力を区分して示していない。後工程の需給は、最大の手がかりであるHPC売上の伸び(前期比22%)と、CoWoS・HBM・チップレットの全体像を重ねて読む必要がある
- 前工程の伸びは後工程の需要につながる:AI向けの高性能チップの多くは2.5D実装(CoWoSとIntelの競争)とHBMを使う。HPC売上が前期比2割増で伸びている間は、インターポーザ、ABF基板、HBMへの引き合いも強い状態が続きやすい
- 第4四半期も前期比増の予想:会社予想どおりなら、年末にかけてHPC向けの需要は高い水準が続く。Amkorのアリゾナ拠点など後工程の増強がいつ立ち上がるかが、調達計画の論点になる
