中国の財政部と国家税務総局は2026年10月12日、「一部製品の輸出還付政策の調整に関する公告」(公告2026年第29号)を公表した。2027年4月1日から、新エネルギー車の増値税(付加価値税)輸出還付率を13%から9%に引き下げる。
中国の輸出企業は、国内で負担した増値税の一部または全部を輸出時に還付される。完成車の還付率が4ポイント下がれば、その分のコストを輸出価格に転嫁するか、利幅で吸収する必要が出る。適用する還付率は、輸出貨物通関申告書に記載された輸出日で判定する。
対象はBEVとPHEV、商用車も含む
公告の附属書1「新エネルギー車製品リスト」は67の税番(商品コード)を挙げる。
| 区分 | 税番の項 | 税番数 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 乗用車など | 第8703項 | 58 | 駆動モーターのみの車両(2)、エンジンと駆動モーターを併載し外部充電できる車両(56) |
| バス | 第8702項 | 4 | 駆動モーターのみの大型・中型・小型バス |
| 貨物車 | 第8704項 | 2 | 駆動モーターのみの貨物車、非公路用の電動輪ダンプトラック |
| トラクタ | 第8701項 | 1 | セミトレーラー用の電動トラクタ |
| 構内運搬車 | 第8709項 | 2 | 工場・倉庫・港湾・空港などで使う電動の短距離運搬車 |
- 税番の項
- 第8703項
- 税番数
- 58
- 主な内容
- 駆動モーターのみの車両(2)、エンジンと駆動モーターを併載し外部充電できる車両(56)
- 税番の項
- 第8702項
- 税番数
- 4
- 主な内容
- 駆動モーターのみの大型・中型・小型バス
- 税番の項
- 第8704項
- 税番数
- 2
- 主な内容
- 駆動モーターのみの貨物車、非公路用の電動輪ダンプトラック
- 税番の項
- 第8701項
- 税番数
- 1
- 主な内容
- セミトレーラー用の電動トラクタ
- 税番の項
- 第8709項
- 税番数
- 2
- 主な内容
- 工場・倉庫・港湾・空港などで使う電動の短距離運搬車
リストに載るハイブリッド車は、すべて外部電源から充電できる車両(PHEV)だ。PHEVはガソリンエンジン併載とディーゼルエンジン併載の両方について、排気量の区分ごとに税番を並べている。PHEVも、BEVと同じく還付率の引き下げを受ける。
同じ公告で、電子たばこの機器・装置などの増値税輸出還付も2027年4月1日に取り消す。消費税を課す製品の輸出時の消費税の扱いは変えない。
電池、太陽光に続く3段目
今回の見直しは単発ではない。財政部と税務総局は2026年1月8日の公告2026年第2号で、太陽光(光伏)などの製品と電池製品の輸出還付をすでに見直している。
- 2026年4月1日太陽光製品の輸出還付を廃止
公告2026年第2号。電池製品は9%→6%に引き下げ。
- 2027年1月1日電池製品の輸出還付を廃止
公告2026年第2号。2026年12月31日までは6%。
- 2027年4月1日新エネルギー車の還付率を13%→9%
公告2026年第29号。BEV・PHEV・電動商用車など67税番。
電池の還付がなくなった3か月後に、完成車の還付率も下がる順番になる。電池単体の輸出と、電池を積んだ完成車の輸出の双方で、輸出時の税の優遇が段階的に縮む。
経営企画・調達担当にとっての意味
- 2027年4月前の駆け込み輸出に注意:還付率は通関申告書の輸出日で判定するため、2027年3月までに輸出を前倒しする動きが出る可能性がある。欧州・新興国の販売店在庫や船腹の手配に影響しうる
- 価格転嫁か利幅圧縮か:4ポイントの差は、価格競争が続く中国メーカーには小さくない。輸出価格を上げるか、輸出先での現地生産に切り替えるかの判断材料が一つ増える。中国製EVの世界シェア拡大の勢いに、税の面から変化が加わる
- 還付はゼロにはならない:完成車の還付率は9%に下がるが、電池のような廃止ではない。さらに引き下げるかどうかは、今回の公告には書かれていない
- 商用車・構内運搬車も対象:電動バス、電動トラック、空港・港湾の電動運搬車も含まれる。こうした車両を中国から調達している事業者は、2027年4月以降の見積もりの変化を確認したい
