Q1の停滞からQ2で急反発
IEAが2026年7月30日に公開した報告書「Electric Car Markets in a Time of Uncertainty」によると、2026年第2四半期の世界EV販売台数は前年同期比4%増・前四半期(Q1)比35%増となった。2026年上半期の世界販売台数は900万台超で、うち500万台超が第2四半期のみで販売された。世界の自動車市場全体が低迷する中、EV販売は90カ国超で前年同期(2025年上半期)比増加を記録している。
通年シェアは29%見通し、新興国が急伸を牽引
IEAは2026年通年の世界EV販売シェアを29%と見込む。豪州・ブラジル・インド・韓国・ベトナム(いずれも上半期販売10万台超の有力市場)では、エネルギー危機開始以降の期間(2025年3〜6月比)でEV販売がほぼ倍増した。小規模市場ではさらに急伸が目立ち、コロンビア+300%、ニュージーランド+180%、シンガポール+110%、ウルグアイ+170%を記録。地域別では、ラテンアメリカが上半期で倍増超(3〜6月期だけで見ると約130%増)、豪州・韓国・ニュージーランドも上半期で前年同期比倍増、インドは上半期+90%超、東南アジアは上半期+75%、アフリカも倍増超で3万台超に達し、南アフリカは5倍超・エジプトは3倍超という急成長を見せた。
欧州も上半期の販売が前年同期比30%増となり、主要EV市場の中で最も高い成長率を記録している。
米国は税額控除終了で前年割れ、中国は輸出が押し上げる構図
一方、米国のEV販売はQ2に27.5万台を超え前四半期比20%増となったものの、前年同期(2025年Q2)比ではおよそ25%減にとどまった。要因は2025年第3四半期末に終了した連邦EV税額控除だ。2026年の販売シェアは平均7%で、2025年通年平均の10%を下回る。
中国は自動車市場全体が上半期に前年同期比20%超減少した一方、EV販売シェアは2026年通年で60%超に達する見込みだ(EV販売台数自体は2025年並みの水準にとどまる)。中国メーカーは国内販売の落ち込みを輸出拡大で部分的に補っているが、輸出の伸びが販売の伸びを上回るペースで拡大しており、直近18カ月間の中国からのEV輸出のうち100万台超が輸出先国での販売として未計上のままだ。輸送期間だけでは説明しきれない規模で、一部の輸出先市場で通常を超える在庫の積み上がりが生じている可能性をIEAは指摘している。
急反発と地理的拡大
Q2は前四半期比35%増。上半期は90カ国超で前年超え、通年シェアは29%見通し。
新興国が急伸
豪・ブラジル・印・韓・越でほぼ倍増。コロンビア+300%等、小規模市場はさらに急伸。
米国は税額控除終了が直撃
Q2は前年同期比25%減。2025年Q3末の連邦税額控除終了が要因。
中国は輸出在庫100万台超
国内市場は20%超減だがEVシェアは60%超へ。輸出EVの未計上在庫が拡大。
調達・投資判断の観点では、「EVは減速している」という単純な図式は成り立たない。制度変更が直撃する米国、輸出過剰在庫を抱える中国、政策支援と急速な普及拡大が続く新興国——市場ごとの明暗を分けて評価する必要がある局面だ。
