55年企業がSiC専業へ転身
1969年創業、旧Ruttonsha International Rectifier Ltd.として55年以上インドの電力半導体市場をリードしてきたRIR Power Electronicsが、2025年9月19日にブランドを刷新した。インド初の垂直統合型SiC半導体メーカーとしての再出発だ。1986年からボンベイ証券取引所(BSE)に上場する老舗が、次世代パワーデバイス企業への転換を明確な戦略として掲げている。非執行会長のHarshad Mehta博士は「20年前に引き継いだ当時から、グローバル競争力のあるインド半導体企業の構築を目指してきた」と述べている。
オディシャ州に618クローレ投資、エピタキシーから量産まで垂直統合
オディシャ州政府の支援を受け、総額618クローレをSiCパワーキャンパスに投じる計画で、エピタキシーからデバイス製造までを同一キャンパス内で完結させる。SiCクリーンルーム施設の建設はすでに完了し、ウェーハエピタキシー生産は2026年3月開始予定、その後段階的に商業量産へ移行する。製造対象はSiC MOSFET・IGBT・ダイオードで、3.3kV〜20kVという通常のEV向け(650V〜1.7kV)より上位の超高耐圧レンジを狙う。EV・再生可能エネルギー・防衛電子機器・産業自動化・高電圧電力アプリケーションが想定用途だ。新工場ではR&D・エンジニアリング・製造部門で500人超の雇用創出を見込む。
NSE上場と初の国際受注
RIR Power Electronicsは2026年7月30日、インド国立証券取引所(NSE)に新規上場した。1986年からのBSE上場に加えた二重上場により、機関投資家の参加拡大と市場流動性の向上を図る。調達資金はオディシャ州のSiC製造施設投資に充当される。同時期に高電力半導体デバイスでの初の国際受注も確保しており(金額・顧客名は未開示)、SiCプログラムと連動した事業拡大の一環と位置づけている。
垂直統合モデル
エピタキシーからデバイス製造まで単一キャンパスで完結。インド初のSiC垂直統合メーカー。
超高耐圧レンジ
3.3kV〜20kVのSiC MOSFET/IGBT/ダイオード。EV向け上位の防衛・航空宇宙・産業用途を狙う。
資本市場での二重上場
1986年BSE上場に加え2026年7月NSE上場。SiC投資の資金調達手段を拡大。
インドの半導体自立政策(Make in India)とも整合するこの動きは、SiCサプライヤーの選定地図に新たな国産候補が加わったことを意味する。エピタキシー生産開始(2026年3月)からFY2027量産開始までの進捗が、調達・供給網の分散先としての実質的な信頼性を測る指標になる。
