BYDは2026年10月29日、香港取引所に2026年第3四半期報告を開示した。7〜9月期の営業収入は2214億8825万元で前年同期比13.59%増、親会社株主に帰属する純利益は100億1957万元で同28.08%増えた。1株利益は1.10元。数値は監査を受けていない。
7〜9月期に増収増益、累計はまだ前年並み
1〜9月期で見ると、営業収入は5663億367万元で前年同期比0.01%増、純利益は223億4498万元で同4.24%減だった。7〜9月期の回復で、累計の売上高が前年並みに戻った形だ。営業キャッシュフローは544億6957万元で33.36%増えた。
7月41.9万台→8月44.0万台→9月46.4万台
BYDが香港取引所で開示した月次の生産・販売台数から集計した
月次開示を合計すると、7〜9月の新エネルギー車販売は132万3065台で、前年同期(111万4192台)より約19%多い。このうち輸出は55万704台で、販売の約4割を占めた。1〜9月の累計販売は313万1576台(前年同期比3.94%減)で、BEVは1.50%増、PHEVは10.19%減だった。
海外拡大で在庫と売掛金が膨らむ
貸借対照表には、輸出拡大の負担が表れている。9月末の棚卸資産は2215億7751万元で2025年末比60.08%増、売掛金は564億7262万元で同52.61%増えた。同社はいずれも海外自動車事業の拡大を理由に挙げている。契約負債(前受金)は929億4640万元で80.58%増、支払手形は手形決済が増えて788億6336万元と251.07%増になった。
括弧内は9月末の残高。出所:BYD 2026年第3四半期報告(香港取引所開示)
1〜9月期の資産減損損失は27億1037万元で前年同期比67.60%増えた。同社は、在庫規模の拡大に伴って棚卸資産評価損を積み増したためと説明している。
経営企画・調達担当にとっての意味
- 輸出依存が一段と高まった:7〜9月の販売の約4割が輸出だった。中国は新エネルギー車の輸出還付率を2027年4月に13%→9%へ下げる。輸出の採算は2027年に一段と厳しくなる
- 海外での値引き圧力に注意:棚卸資産は9か月で約830億元増え、評価損も増えた。海外市場で在庫を売り切るための価格施策が強まれば、各地域の競合メーカーの価格戦略にも影響する
- サプライヤーの資金繰り:支払手形が3.5倍に増え、短期借入金は半減した。BYDに部品を納める企業は、支払条件(手形のサイト)の変化を確認しておきたい
- 公表されていない点:四半期報告は、地域別の売上高や輸出の採算、在庫のうち海外にある分の内訳を示していない
